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2015年8月27日 (木)

ブログの移行について

ブログを移行しました。

移転先は、こちらになります。

独立以来ココログを続けてきましたが、オリジナルのブログをつくることにしました。

オリジナルブログは、カテゴライズ機能など徐々に充実させていければ良いなと思っております。

2015年8月20日 (木)

リッピングソフトの配布による著作権法違反での検挙

リッピングソフトを提供したとして,本邦初の著作権法違反の逮捕者が出ました。

リッピングソフトに関しては不正競争防止法による逮捕者は過去にもありましたが、著作権法違反の検挙は初めてです。

適用条文は,平成24年改正により構成要件が拡充された著作権法120条の2第1号(※)となります。

さらに,アップロードされたリッピングソフトのダウンロードページにリンクを張った者も,幇助犯(刑法62条1項)として検挙されました。

幇助とは,正犯の罪を助ける(容易にする)ことを言います。

つまり,リッピングソフトダウンロードページへのリンク作成行為によって,ダウンロードページにより多くの公衆を誘導する土壌を醸成したことで,正犯(リッピングソフトをアップロード、配布した者)によるリッピングソフトの公衆への提供を助長した,より容易にした、という罪で逮捕されたものと考えられます。

幇助犯として逮捕された3名は,リンクを張ることで,正犯が企図する違法プログラムの公衆提供をより容易にしたため,逮捕された者が仮に本当にリッピングソフトの効能を認識したうえでリンクを張った者と同一なのであれば,幇助犯の罪責に問責されることは避けられないものと考えられます。

もっとも、これまでの著作権法違反の量刑傾向などから,罰金刑などに課される程度で済む可能性も高いものと思われます。

※著作権法120条の2柱書は,「次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」と定め,同条1号は「技術的保護手段の回避を行うことをその機能とする装置(当該装置の部品一式であつて容易に組み立てることができるものを含む。)若しくは技術的保護手段の回避を行うことをその機能とするプログラムの複製物を公衆に譲渡し、若しくは貸与し、公衆への譲渡若しくは貸与の目的をもつて製造し、輸入し、若しくは所持し、若しくは公衆の使用に供し、又は当該プログラムを公衆送信し、若しくは送信可能化する行為(当該装置又は当該プログラムが当該機能以外の機能を併せて有する場合にあつては、著作権等を侵害する行為を技術的保護手段の回避により可能とする用途に供するために行うものに限る。)をした者」と定めています。上記「技術的保護手段」について平成24年改正で定義が「電子的方法、磁気的方法その他の人の知覚によつて認識することができない方法(次号において「電磁的方法」という。)により、第十七条第一項に規定する著作者人格権若しくは著作権又は第八十九条第一項に規定する実演家人格権若しくは同条第六項に規定する著作隣接権(以下この号、第三十条第一項第二号及び第百二十条の二第一号において「著作権等」という。)を侵害する行為の防止又は抑止(著作権等を侵害する行為の結果に著しい障害を生じさせることによる当該行為の抑止をいう。第三十条第一項第二号において同じ。)をする手段(著作権等を有する者の意思に基づくことなく用いられているものを除く。)であつて、著作物、実演、レコード、放送又は有線放送(次号において「著作物等」という。)の利用(著作者又は実演家の同意を得ないで行つたとしたならば著作者人格権又は実演家人格権の侵害となるべき行為を含む。)に際し、これに用いられる機器が特定の反応をする信号を著作物、実演、レコード若しくは放送若しくは有線放送に係る音若しくは影像とともに記録媒体に記録し、若しくは送信する方式又は当該機器が特定の変換を必要とするよう著作物、実演、レコード若しくは放送若しくは有線放送に係る音若しくは影像を変換して記録媒体に記録し、若しくは送信する方式によるものをいう。」に広げられました(著作権法2条1項20号)。この技術的保護手段の拡充により,著作権法120条の2第1号の処罰範囲も広がったことになります。

2015年8月 7日 (金)

刑事弁護と自動車

今年は刑事事件の新件が7月下旬から立て続けに入り,この夏は刑事弁護も業務の大きなウェートを占めています。

刑事弁護は移動することが多く、この酷暑に刑事弁護が大量に舞い込んできたのはなかなかハードな面があります。

本庁(千代田区霞が関)の事件だけで弁護士業務をしている期間は車の必要性はさほど感じないのですが、多摩地区を含めて刑事弁護を受任すると、自動車の有用性にどうしても目がいってしまいます。

というのも、刑事弁護は警察署や拘置所、裁判所、検察庁とそれぞれ離れた施設に行くことが多く意外と施設間の移動が大変です。駅のすぐそばに裁判所と検察庁が固まっている霞ヶ関本庁と違って、立川などはどの施設も大抵駅やそれぞれの施設から結構距離があることが多いです。

立川などでは裁判所から検察庁、拘置所などそれぞれの施設間の移動にも意外と時間と労力を奪われてしまい、反面、多摩地区は23区と比べれば施設敷地は広く駐車場スペースも比較的ゆったりとってあるので、どうしても自動車での移動に目がいってしまいます。

とくに毎日これだけ暑いと涼しい車での移動は魅力的に映ってしまいます。反面自分は自動車とか機械系にはまったく物欲が働かないので、よほどメリットがなければ、購入するまではいいかなとなってしまいます。

一番経済的に効率がいいのは、今みたい特段必要な時期だけスポット的に利用できるカーシェアやレンタカー利用なんでしょうね。

事務所のすぐ近くにレンタカー屋さんがありますので、試験的に利用してみようかな。

2015年8月 1日 (土)

東京オリンピックエンブレム問題と著作権法

 こんにちは。弁護士齋藤理央です。東京オリンピックのエンブレムに対してベルギーの劇場ロゴデザインと酷似していることが指摘され問題となっています。この点、委員会側からは商標権侵害について反論がなされた模様ですが、法的には著作権法上の問題も発生する可能性があります。

 では、この点について著作権法上どのような問題が生じるのでしょうか。

 そもそも、ベルギーで制作され、使用されている劇場のロゴマークについて、日本で著作権法の保護が及ぶのかが問題となります。

 この点、ベルギーは、ベルヌ条約の批准国のようです。したがって、ベルヌ条約5条2項の解釈で、日本においては日本の法律が適用されることになります。ベルギーの劇場のロゴマークも、日本の著作権法上、著作物該当性が肯定できれば、日本においても著作権法の保護を受けることになります。

 ベルヌ条約は、「千八百九十六年五月四日にパリで補足され、千九百八年十一月十三日にベルリンで改正され、千九百十四年三月二十日にベルヌで補足され並びに千九百二十八年六月二日にローマで、千九百四十八年六月二十六日にブリュッセルで、千九百六十七年七月十四日にストックホルムで及び千九百七十一年七月二十四日にパリで改正された千八百八十六年九月九日の文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約」という名前で、外務省のサイト上で公開されています。

 ベルギーの劇場ロゴも、ひとつひとつの構成要素は単純な図形であるとしても、その配置やバランスに高い創作性が認められることから、日本の著作権法上著作物に該当することはあまり問題がないものと思料されます。したがって、日本において著作権法上の保護を受けることになりそうです。

 そうすると、次に問題となるのが、東京オリンピックのロゴがベルギーの劇場ロゴの著作権を侵害しているか否かです。問題となりそうなのは、翻案権侵害、同一性保持権侵害等といえそうです。

 ここで、特に問題となるのが依拠性の点です。

 最高裁第一小法廷判決昭和53年9月7日(ワン・レイニー・ナイト・イン・トーキョー事件)
は,「著作物の複製とは、既存の著作物に依拠し、その内容及び形式を知覚させるに足りるものを再製することをいうと解すべきであるから、既存の著作物と同一性のある作品が作成されても、それが既存の著作物に依拠して再製されたものでないときは、その複製をしたことにはあたらず、著作権侵害の問題を生ずる余地はないところ、既存の著作物に接する機会がなく、従って、その存在、内容を知らなかった者は、これを知らなかったことにつき過失があると否とにかかわらず、既存の著作物に依拠した作品を再製するに由ないものであるから、既存の著作物と同一性のある作品を作成しても、これにより著作権侵害の責に任じなければならないものではない」と判示しています。

 本件においては、劇場ロゴはベルギーに存在する劇場のロゴであり、通常日本人が参照する機会はないため、アクセス可能性があったのかが、第一の(そしておそらく最大の)問題点となるでしょう。

 仮に、ベルギーの劇場のロゴについて東京オリンピックのロゴデザイナーが劇場ロゴを参照する具体的な機会があったと立証できれば、依拠性は事実上推定されることになるでしょう。そうなった場合は、オリンピックのロゴデザイナー側で、依拠性の推定を覆す必要が発生することにもなり兼ねません。

 もっとも、ベルギーの劇場のロゴにアクセスできた可能性は低く、具体的なアクセス可能性の立証は困難を極めるものと思料されます。

 この点は、ベルギーの劇場ロゴデザインがウェブサイトやパンフレットなど、どのような場所に露出されていたのか、とくに、現代ではインターネットを利用すれば劇場のロゴは参照することができるため、抽象的な意味のアクセス可能性では足りず、具体的なレベルでアクセスした可能性を指摘していかないと、依拠性の事実上の推定まで及ぼすことは難しいことになりそうです(私見)。

 たとえば、何月何日にベルギーにいたとか、劇場ウェブサイトへのアクセスログなど、いずれも、存在したとしても入手することが相当困難な情報といえるのではないでしょうか。

 これに対して、あくまで、依拠性が事実上推定されない限り、東京オリンピックロゴデザイナー側からは、理屈の上ではアクセス可能性を否定し続けておけばよいことになります。しかし、世間の理解を得るためにも、より積極的に作成過程の資料などを公表することで、作品のオリジナル性を主張していくことも検討されて然るべきです。

 特に制作過程のラフスケッチや、制作ソフトに残っているレイヤーの構成、着想やモチーフなどを公表することで、その制作経過のオリジナル性を相手方や世間に伝えていくことは、検討に値する気がします。

2015年7月11日 (土)

コンテンツ東京出展

7月1日~3日の3日間、東京ビッグサイトで行われたコンテンツ東京に出展させていただきました。

201507112

20150711

写真は前日の様子ですが、開催中は本当に盛況でブースの前を通る方々に300枚近いチラシを配布させていただきました。

また、法律相談も盛況で、なかなか一人では対応できない時間もありました。

個人的には、ものすごく楽しくやらせていただきました。

ただ、やはり、まだ、なんでこんなところに法律事務所が!?と驚かれる方も少なくなく、また、クリエイターさんのなかには、まだまだ、潜在的な法務の需要があるにも関わらず、それにご自身も気づいていないのではないかと思われる方も多かったです。

基本的に著作権をはじめとする知的財産権はつくり手にとって法律が与える最大の武器になります。しかし、そもそも武器の使い方や武器を手にしていることも知らない方が多いのかなと感じました。

また、事業者の方を対象とした法務についても、いろいろと考えるところが多かったです。海外への対応や、コンテンツファンディングのことなど、なかなか個人事務所の現状では対応できていない部分の相談や質問も多く、コンテンツ法務支援を提供する場合に必要とされる専門性の高さも改めて認識することができました。

事務所や自分としても、とても多くの課題を感じることができた3日間でした。

2015年6月24日 (水)

弁護士ドットコムさんのニュース記事にコメントしたことなど

2回ほど、弁護士ドットコムさんのニュース配信にコメントを寄せさせていただいております。

前回は、バイラルメディアについて、今回は、ブラウザゲームについて、コメントさせていただきました。すべて、著作権が問題となっている事案です。

ニュース記事はこちら↓です。

http://www.bengo4.com/houmu/17/1263/n_3282/

YAHOOニュースでも配信されました↓。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150623-00003282-bengocom-soci

前回のバイラルメディアに関する記事はこちら↓です。

http://www.bengo4.com/houmu/17/1263/n_3178/

記事には乗り切らなかったのですが、素材が意匠にあたり、著作物性を肯定されない場合など、素材の著作物性が肯定できない場合についての見解を、ブログの方で述べておきます。なお、記事は特定の作品に着目した内容となっていますが、ここでは、特定の作品とは関係なく、トレパク一般について述べています。

素材自体が著作物に該当しなくても,トレパクは写真をトレースしてイラスト画像にしていたり,画像加工している例が多いので,多くのケースで写真の著作物の複製権侵害、翻案権侵害が問題となります。

このとき,トレースが写真の表現それ自体に踏み込んでいれば複製権侵害、翻案権侵害となるでしょう。

反面,トレースが写真表現に踏み込んでいない場合は写真の著作物の関係では複製権、翻案権侵害に当たらないと考えられます(最高裁判例平成13年6月28日)。

そこで問題となるのが写真表現の範囲ですが,判例上,露光や印影,現像の手法などの写真技法の他に,被写体の選択に独自性がある場合も,写真表現の内容となり得ます(東京高裁判平成13年6月21日)。

 

したがって,被写体となっている素材が複数の被写体で組み合わせられ,被写体の色合いや構図などに特徴があり,トレパクが被写体のひとつだけでなく,被写体の組み合わせや色合い、構図が出す迫力や独特の作品の味わいの部分に踏み込んでトレースしていれば,写真の著作権を侵害する可能性が高まってきます。

これに対して,一つの被写体だけをトレースしているような場合,被写体の特徴がそのままのこっていても,被写体の形状だけをトレースしていて写真表現にも踏み込んでいなければ,著作権侵害とならない可能性が高いでしょう。

このように、写真を媒介として素材が出回っているケースも多いトレパクの問題においては、素材との関係でなかなかシビアな判断が必要になるケースも多そうです。

プロダクションEXPO出展準備など

こんにちは。齋藤理央です。

7月1日・2日・3日の3日間、プロダクションEXPOという企業展示会に、コンテンツ支援企業としてブース出展します。

プロダクションEXPOのウェブサイトはこちらになります。

Logo1l

ぼくも企業展示会ははじめて出展しますので、わからないことも多いですが、日本中のクリエイト関連企業が出展するかなりの規模の展示会のようです。コンテンツ関連企業の展示会としては日本最大のようです。

出展準備を少しずつ進めていますが、慣れないことばかりで大変です。

宣伝用材料として、のぼりとビラをつくる予定です。

3日間は、事務所にいれないので、事務所の方は弁護士不在となります。よろしくお願いします。

ビラは昨日急ごしらえであつらえたのが、こちらになります。

Bira1

ただ、いざ印刷にしてみると、断ち切りの関係で文字に余白が必要なことや、ウェブ上ではおかしくないが、真ん中のロゴ解像度が低かったり、スモークのような部分があまりきれいに印刷されなかったり、いろいろと問題があることが発覚しました。

やはり、なれないといろいろ難しい問題が出てきますね。

そこで、ロゴの画像を小さく出力して拡大する形になっていたところを、大きく出力して縮小する形になおしたり、青い背景色を長方形で塗りつぶす手法にかえたりして、より鮮明な画像に変更してみました。

やはり、シンプルが一番良いようです。

Bira2

ほんとうは、もっと折込式のかっこいいビラというか、パンフレットをつくりたかったのですが、時間がなくて急ごしらえなので、今回はこんなものかなと思っています。

ビラにも記載のとおり、7月1日、2日、3日はプロダクションエキスポ、コンテンツビジネス支援ゾーン21-39ブースで、無料法律相談を行います。

クリエイト関連のお悩み、知的財産権に関するお悩みを、ご遠慮なく、ご相談ください。

よろしくお願いします。

2015年6月 4日 (木)

コンセプトを少しチェンジしました

事務所運営についていろいろと見えてきた部分もあり、弁護士としての宣伝の要素を排して,個人的なクリエイト日記というニュアンスのブログに変更しようと思います。頻繁にコンセプトが変わって申し訳ありません(笑)。

2015年6月 2日 (火)

キャラクターのデザイン変更

こんにちは。齋藤理央です。

NOTE OF FLOAT ISLANDのキャラクターのデザイン変更をしてみました。

ライオンをモデルにしたロボットのようなキャラクターのイラストで、今までは下記のイラストを使用していました。他に、兎をモチーフにしたキャラクターと、フクロウ(厳密にはフクロウをモチーフにした作品内の生物)をモチーフにしたキャラクターも、下書きはしてあり、あとはデジタル化の作業をしないといけません。

Lion

いままでのライオンをモチーフにしたキャラクター。

ただ、どうもこのイラストではロボット感がなさ過ぎて、すこしロボット感を出したデザインに変更することにしました。

まず、下絵を描きます。

Img082_9

描いた下絵がこちらです。実際のライオンの写真などを複数見ながら、前回の反省点を踏まえて、できるだけメカっぽい感じを出しました。なお、ポイントの一つとして、デザイン段階の参照資料などは、残しておいた方が良いと思います。万一なんらかの紛争(著作権をめぐるトラブルなど)に巻き込まれた場合、既存の知的財産に依拠しないオリジナルの知的財産であることを立証しなければならない事態も想定されるからです。

なお,上記デザインは、参照した写真のトレースなどではなく、写真複数枚をライオンという生き物の形状をモチーフとするために参照した程度なので、参照元の写真の著作権を侵害するような事態は想定できません。しかし,たとえばそのような場合でも,その過程を残しておくことで、そのことを主張・立証しやすくなると考えられます。

そして,下絵をアドビのソフトウェア、イラストレーターCCでデジタル画像として作成していきます。

差し替えようの新しいイラストはこちらになります。

Lion2

すでにサイトの方にもアップデートしています。

下絵をデジタル化してJPGファイルを作成する作業は、著作権法上は、下絵(から感得できる)著作物の翻案という作業になります。したがって、下絵の著作権がない場合は、色をつけたり、デジタル化する作業は翻案権の侵害として認められないことになります。

そして、デジタル化したJPGファイル上には、下絵の著作物の2次的著作物として、別途着色や改変部分について著作権が成立する余地があることになります。このあたりの話は別エントリーで機会があれば詳しく述べたいと思っています。

Lion3

追記。少し下絵に併せて修正しました。

この程度の改変は、創作性を有するのか、下絵の3次的著作物と捉えるべきか、いろいろと考えるべき点は出てきます。ただ、大事なのは、実際の事案との関係で意味がある思考なのか、という点だと思われます。このイラストについては、すべて自分に著作権が帰属することは明らかですから、実際の事案でそうした論点が発生するとは考えられません。問題となるとすれば、各過程を別人が担当したうえで、法人などに一括で権利帰属しない場合などと考えられます。

2015年5月26日 (火)

プログラムの著作物性②プログラム該当性

こんにちは。著作権をはじめとする知的財産権法や、損害賠償案件を得意とするつくる弁護士齋藤理央です。

今日は,NOTE OF FLOAT ISLANDのプログラムとしての著作物性について,述べていきたいと思います。

前回、著作権法上のプログラム物に関する抽象的な規範の問題を述べました。つまり,裁判所はコンピューター上のプログラムにおいては、それぞれの指令が一つ一つのコードとして記述されており、コードから読み解ける指令が複数存在することと、当該指令が一つのまとまった動作に対して系統づけて把握できることを、一つの判断要素として、プログラム該当性を肯定していました。

そこで、今回は具体的にNOTE-が著作権法上のプログラム該当性を有するか,検討していきたいと思います。

NOTE OF FLOAT ISLANDは、HTML、CSS、PHPでブラウザ上の表示方法を指定しています。CSSはもともと、HTMLで指定していたデザインをまとめて指定するために開発された言語です。また、PHPは、動的なHTMLの記述を実現するための言語なので、PHPによって記述されたHTMLが、クライアントコンピューター上のブラウザにコンテンツなどの表示方法を指定することになります。

たとえば、現在、新章のためにサイトのバックグラウンドが切替られるシステムを実現しています。サイト上のC1(チャプター1)というリンクをクリックすることで、通常時の背景色やタイトルロゴが切り替わります。

この背景色の切り替えは,htmlで記述されたハイパーリンクによってURLにCHAPTER=1というパラメーターが与えられ、当該パラメーターがPHPによって読み込まれることで、サーバーコンピューターにおいて表示するHTMLを切替え、切り替えられたHTMLによって、通常時とは別のCSSファイルが読み込まれ、読み込まれたCSSによって背景色を切り替えるという仕組みをとっています。そして、当然それぞれの動作は、それぞれ、HTML,PHP,CSSの各コードで一つ一つ記述されています。

このように,NOTE-のチャプターによる背景色切替のシステムは,それぞれの指令が一つ一つのコードとして記述されており、コードから読み解ける指令が複数存在するといえます。

そして、それぞれのコードは、クライアントユーザーがチャプター1の閲覧を希望したという一つのアクションに対して、背景色やタイトルロゴ画像を切り替えるという一つのまとまった動作を目指して記述されたコード群であるということができます。よってNOTEの背景切替システムは,一つのまとまった動作に対して系統づけて把握できるコードの集合ということができそうです。

したがって、たとえばNOTE-の背景切替システムは、著作権法上のプログラム該当性を肯定できそうです。

ところで、ここで、著作権法上のプログラムの個数の問題が頭をよぎります。

NOTE-に限らず、ゲームのタイトルや、ひとつのウェブサイトなどで、一体いくつのプログラムが観念できるのか。ひとつのタイトルやサイト全体でひとつのプログラムとみるべきなのか、ファイルごとにひとつのプログラムとみるべきなのか。

おそらく正解のない問題だと思われますが、ひとつの考え方として、著作権法上のプログラム該当性は、その機能に着目して規範的に決していかざるを得ないと思料されます。

そもそも著作権法上,プログラムは「電子計算機を機能させて一の結果を得ることができるようにこれに対する指令を組み合わせたものとして表現したものをいう」と規定され(著作権法2条1項10の2号)、機械にとって可読性のあるコードそれ自体ではなく、人間にとって意味のある機械の動作結果に着目して定義されています。

したがって、意味のある動作結果という一つの機能的側面から、プログラムの個数を把握していくべきであり、動作結果に社会的意味が見いだせる範囲で、無数に著作権法上のプログラムは成立しえるものと解されます。たとえば、NOTE-の機能でいえばチャプターごとに背景色やロゴ画像を切り替えるシステムというとらえ方も出来、また、チャプター1を選択した時に背景色が赤色に切り替わるシステムというとらえ方も出来るものと思料されます。あとは、事案との関係などで、もっとも適切なとらえ方を選択していくことになるのではないでしょうか。

もっとも、あまりに微細な機能や、汎用的な機能に着目した場合、創作性が否定されプログラムの著作物性は否定されるケースが多くなりそうです。

次回は、プログラム性を肯定しえるNOTE-のプログラムとしての著作物性を論じていきたいと思います。

«プログラムの著作物性①プログラムの著作物性が認められる場合

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